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“Bergfabel” from ITALY -SPRING/SUMMER 2021- ①

MENS |

 

Bergfabel。AW20より取り扱っております。
BLOGを書く暇もなく、気付いたら店頭から姿を消していたもので。商品はないけど落ち着いたらご紹介だけでもって思ってましたが、結局手付かず。

SS21納品されました。

よし。今季こそ書こう。
既に幅広いエリアで認知されている、展開されているブランドというレッテルがどうしても拭えず、ちょうど1年前くらいだったか、仕入れの話に名前が挙がったときは天邪鬼を発揮してネガティブな意見をこぼしたこともありました。何だかんだで好きです。以前まではわざわざ見に行ってたしね。

【Bergfabel / バーグファベル】
イタリア人デザイナー・Klaus Plank / クラウス・プランク。
2010年にBergfabel / バーグファベルをを発足。ブランド名はドイツ語で「山」を意味する「Berg」と「物語」を意味する「fabel」という言葉を繋げた造語。クラウスが生まれ育ったイタリアとオーストリアの国境付近 = チロル地方に根差した文化やスタイルを、自身のコレクションのフィルターを通して現代に紡いでる。そのため、コレクションにはチロル地方に息づく伝統的なスタイルやクラフトワークが随所に見受けられ、ブランドを代表する”Tyrol Jacket”なる精巧なジャケットは19世紀頃の農民服や音楽隊の制服から着想を得たという。過度なデザインは排除し、チロル地方に根差した文化や道具としての洋服、その着こなしといったスタイルを提案している。それは製品1点1点につくクラウスの実母お手製のポプリが物語っているかもしれない。製品の封を切るとラベンダーのいい香りが漂う。クローゼットに潜ませておけば防虫にも効果的。文化の継承たるや。

もちろんテキスタイルへの飽くなき拘りもまたBergfabelを語る上では切り離すことのできない重要なエッセンス。冠に過ぎないサスティナブルよりもむしろサスティナブルしている可能性がある。彼の地の伝統となった様々なテキスタイルは、その恵まれた雄大な自然環境から得た産物。それらを熟練の職人が古い織機を使用し、原料を丁寧に生地へと昇華させてゆく。それに加えて他国と隣接しているという環境は、多岐に渡る西洋の文化を取り入れるに容易かったのかもしれない。

現代のファッションアイデンティティとは異なり、華やかなコレクションとは正反対を突き進む。そんな氏でも毎シーズン少しづつ新作を加えながらクリエイションの域を広げている。大量生産とは異なる領域での活動は、返って一貫した生産背景を誇っているようで。実際にクラウスの目が行き届く範囲で限られた人たちとの協業によって作り出されているから、完全なるハンドメイドとは形容でき兼ねるにしろ、限りなくそれに近い取り組みをこのご時世に於いても続けている。

そんなBergfabelより今季は2型。たったの2型? いえ、渾身の2型をご用意しております。

「チロル地方の農夫が着ていた伝統的な襟が小さいシャツ」をベースにデザインされた同ブランド不朽の定番”Tyrol Shirt”より、肩巾から身巾に至るまでを全体的に広く設定した”Farmer Shirt”。の、読んで字の如く身頃の丈をさらに引き伸ばした”Long Farmer Shirt”をセレクト。回りくどい言いまわしで失礼、僕らが大好物な丈感だということを強調したかった。実に同型はAW20でも仕入れておりまして、これがまた調子が宜しい。とりわけジャケットからシャツまでコンパクトなイメージに強いBergfabelのなかでも上記した通り比較的ゆとりあり。丈の長さに引っ張られ身巾もそこそこ用尺を持たせているのでバランスが取りやすい。背中のタックも可動域を広げる(と言うよりは動きやすさ)に一役買っている。それでもって素材通りの小ぶりな襟。チロル地方ではバンドカラーと呼ばれているらしい。紛らわしいですよね。そしていつからかセオリーとなったシャツの構造のひとつである前立て7つボタンも”Long Farmer Shirt”に至っては8つボタン。それも一般的なドレスシャツよりやや大ぶり?な蝶貝(White&Skyは白、Redは黒)ボタンが付いちゃいます。

生地はコットンペーパークロス一択。これぞBergfabelのイメージ通りでしょう。品質の良し悪しがハッキリ分かれるペーパークロスをブランド創設期から使い続けるクラウスには脱帽。
Bergfabelが用いるペーパークロスはかなり目の詰まったシャリ感のある生地で、そこへさらに製品洗いを掛けています。故にシワくちゃ。生地の縮率を考慮したのか、もうパッカリングが出ているし小慣れたムード。新品時のパリっとした風合いよりも断然こっちの方が良い。アルチザンとは違うしヴィンテージでもない。合の子とはよく出来た文言だな、そんな感じです。もちろん着込むほどに柔らかく(擦り減っていくわけではない)、退色をもポジティブなエイジングとしてすんなり受け入れてしまえそう。発想を転換するならば「雑に着れる心地よさ」をBergfabelのペーパークロスからは感じます。あ、もちろん私も購入してます。赤を。

LONG FARMER SHIRT / 49,000YEN (EX-TAX)
COL:White
SIZE:48 / 50

LONG FARMER SHIRT / 49,000YEN (EX-TAX)
COL:Sky
SIZE:48 / 50

LONG FARMER SHIRT / 49,000YEN (EX-TAX)
COL:Red
SIZE:48

SkyとRedはオーバーダイ故にタグも染まってます。淡い色味、まさに気分が過ぎる。
タック入りのトラウザーと合わすもよし、デニムや軍パンetc. コテコテのヴィンテージと合わすもよし。このシャツは羽織りとしても活かせるから、話が早いけれど梅雨時期とは相性が良いかもですね。夜は冷えるから。日中はグッと袖を捲って。(ポイント。シワ感がデフォルトだから袖捲りや着席時に生じるシワがほとんど気にならない。もちろん洗濯後のそれも。そこそこキックバックも働くし)
ショーツ合わせも興味深い。ハマるか分からないけれどやってみます。スタイリングは千差万別っす。

172cm / 57kg

当店の解釈だとサイズ48がゴールデン。そして上記の着用サイズが48。AWでは46 / 48で仕入れておりましたが、春夏ということもあり今季は48 / 50で取っておきました。
お好きな方。カジュアルで仕立ての良いシャツをお探しの方は是非。

長くなって参りましたので、続きは明日別個で更新します。残すはレザージャケット。刮目せよです。
最後に追記。店頭に並べるも間もなく完売したカラーがあったので、今3色もまた足が早そう。

“THE STORE BY MAIDENS“
(ONLINE STORE)

☎:03-5410-6686
✉:shop@maiden.jp

MAIDENS SHOP 田中

2021/03/05

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