FEATURE | -INTERVIEW - Paul Vincent (S.E.H KELLY Director)

生地からボタン、すべてをイギリス諸島内のメーカー製を使い、すべてを自国で生産し、独自の品質と英国ならではの価値観を提案する上質なサヴィルローをルーツとするブランド"S.E.H KELLY"
今回当店ではS.E.H KELLYイベント開催に合わせ来日した同ブランドのディレクターであるポール・ヴィンセント氏にブランドのインタビューを行った。
彼の言葉からブランドのルーツや背景を紐解いていく。

S.E.H KELLY Director
Paul Vincent ポール・ヴィンセント


MAIDENS SHOP Buyer
平沢達哉
S.E.H KELLY

平沢:ブランド設立までの経緯を教えて下さい。

ポール:私はマンチェスター出身で、大学では経済を専攻していました。その後IT関係の職業を何年かしましたが、大学院に行きたいと思いロンドンにうつりました。そして大学院に通いながら、洋服が昔から好きだったこともあり、アルバイトでポールスミスなどのお店で働いていました。 大学院卒業後は、IT関係の仕事に付きましたが、その間もずっとファッションのことが頭から離れませんでした。その情熱は冷めることなく、ファッションの仕事をしたいと本気で考えましたが、ファッションの勉強をしたわけではないので自信もなく、まずはファッションに近い広告関係の仕事に転職しました。 そこで出会ったのが、現在一緒にブランドを行っているサラです。 サラも同じようにファッションを仕事にしたいと考えており、私は彼女を手伝う形でナチュラルにS.E.H KELLYはスタートしました。 ブランドスタート当初、サラは服作りに、私はセールスやウェブサイトを担当していました。しかし現在はすべてを二人で行っています。 二人でやっていますが、S.E.H KELLYは一人のようなものです。笑

平沢:服を作るうえでの、こだわりは何でしょうか?

ポール:もっとも大切にしていることは、生産はもちろん、生地から糸、ボタンまですべて英国製であるということです。

平沢:なぜすべて英国製ということにこだわるのでしょうか?

ポール:元々、サラはサヴィルロウでの経験があり、英国製への拘りがありました。そして彼女はスーツだけでなく日常着でも同じようなクオリティーの物を作りたいと考えました。それがブランド設立の理由であり、アイデンティティになっています。 また、僕たちは英国の生地屋や工場を見て回るのがとても好きなんです。

S.E.H KELLY

平沢:数多くのブランドがある中で、ここまで一貫して自国生産にこだわっているブランドはほとんどないので、本当に素晴らしいですね。

ポール:ありがとうございます。 商品のクオリティーに自信はありますが、僕たちのブランドはあくまでもデイリーに着れる日常着であるのがベストだと考えています。僕たちの服を着て、これすごいでしょ?と自慢するのではなく、フットボールを見に行くとき、パブに行くとき等、日常生活でリラックスして着られる服であるべきと考えています。 いつもデザインを考えるときに、アイデアはたくさん生まれます。例えば、ボディとスリーブのカラーをコントラストにしては?とか、ボタンの色を全部変えてみては?とか。 しかし、私たちの原点は先ほども伝えたように、イギリス人にとっての日常着なので、そういった変わったアイデアを採用することはありません。

平沢:ブランドを続けていく中での苦労はありますか?

ポール:どのようなビジネスも同じだと思いますが、スタートから2,3年は高い工賃やパーツ代など金銭的に苦労しました。 あと、春夏シーズンは毎シーズン苦労していますね。 なぜならイギリスはウール生地は伝統的に良いものがたくさんあるのですが、コットンやリネンなどはあまりないので、英国製でそういった生地を探すのは非常に大変です。

平沢:それではここからは、当店のことや日本のマーケットについて伺いたいと思います。 まず、当店の第一印象を教えて下さい。

ポール:原宿はとても人が多いですが、メイデンズショップの周辺はゆったりとした空気が流れていて、お店もリラックスした空間がとても良いですね。 原宿という場所にありながら、こういったリラックスした空気を生み出せるのは、素晴らしいと思います。

S.E.H KELLY

平沢:日本のお客様についてはどう感じますか?

ポール:日本のお客様はイギリス人よりも、イギリス製の良さをわかっており、リスペクトして頂いていると感じます。それはとても光栄なことです。 メイデンズショップをイギリスにオープンしたら、イギリスの人ももっとイギリス製の良さをわかってくれのではないでしょうか。是非メイデンズショップのスタッフにイギリス人を教育してほしいですね。笑

平沢:いやいや、僕たちの方がイギリスという国からたくさんのことを教えてもらってますよ!笑

ポール:日本にも高い技術と素晴らしい生産背景があるからこそ、イギリス製の良さをわかって頂けるのではないでしょうか。日本で私たちのブランドを取り扱って頂けていることは、とてもラッキーなことであるし、非常に感謝しています。

平沢:それでは最後に日本のS.E.H KELLYファンの皆様にメッセージをお願いします。

ポール:サラも私もとにかく感謝しています。 値段も安くなく、難しいアイデンティティのブランドですがそれを理解していただけていることにとても感謝します。 私たちは服を作るとき、工場に行くとき、常にお客様のことを考えています。 なので、今回このようなイベントを通してメイデンズショップのスタッフの皆さんや、お客様から頂いた意見などは必ず私たちの服作りに反映させていきたいと思います。

平沢:貴重なお話ありがとうございました。

ポール:こちらこそありがとうございました。

S.E.H KELLY