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“Gorsch” -Vintage Textile Edition-

MENS |

 

遅ればせながらGorschより待望のセットアップが入荷。
-Vintage Textile Edition-とは勝手に冠したけれど、今季も鈴木さんが保有するデッドストックの生地から選ばせてもらったわけで、ある意味ゴージャスでスペシャルな逸品が仕上がってしまった。生地はもちろん注目してみて欲しいけど、何よりも鈴木さんの丁寧な仕立てには刮目すべき。

あ、その前に念のためブランドプロフィールを。

【Gorsch / ゴーシュ】
ゴーシュという名のとある仕立屋見習いの物語。
ある日屋根裏で見つけた古びた足踏みミシンと仕立ての道具、そして3着のジャケット。
ゴーシュは、今は亡き祖父が仕立屋だったことを知る。
祖父の仕事姿を思い描き、それは憧れに変わり、そして同じ道を歩み始めた。
腕はまだまだ未熟だが、仕立技術の向上のみならず、様々な異国に移り住み、異文化に触れ、感じたままにゴーシュらしい物作りに励む。
故郷に想いを馳せ、いつの日かその地での物作りを通して、様々な国の人々に “Gorsch” を楽しんでもらいたい、そんな事を想いながら、世界のどこか片隅で日々腕を磨いている。

で、早速生地ごとに。

「Deadstock Brown Stripe Wool」

当時はスーツ地として織られたであろう滑らかな肌触りが特徴のウールストライプ。織りはヘリンボーン。詳細な年代は不明だけど、鈴木さんが足を使い欧州の蚤の市で購入された推定1970年代前後のテキスタイル。地の目が詰まっているので肌当たりがよく、僅かにドレープが生まれる。リラックスしたムードに落とし込んでなお、その品の良さたるや。

TWO LAYER FRONT JACKET / 68,000YEN (EX-TAX)

で、メインジャケットにはインラインにはない「2レイヤーフロントジャケット」を選択。これは以前の春夏でリリースされていて、言わずもがな前のめりにオーダーしたんだけどBLOGでご紹介する前に即完だった。リーバイスでいう501、マルジェラでいうアーティザナルのように、Gorschといえばレイヤージャケット。な、イメージがあった。欲張りな我々の要望を鈴木さんが快く引き受けてくれたので、今回は晴れてご紹介するに至ったのです。

写真の通り、二重の前立て。このジャケット一枚で共生地のベストを重ねたようなレイヤードスタイルが完成ってわけ。
クラシックな印象を漂わせておきながら、ラペルを排除しカラーレスな仕立てにしたことで幾らかカジュアルな雰囲気でしょ。
これはこれでVゾーンのスタイリング、遊び甲斐ありまくり。シャツはBD?スタンド?
ハイゲージのニットもいい。クルーかモックネックか。うん、楽しいです。

前立ては全開でも全閉でも。ベスト的な役割を担う内側のみ掛けておくスタイルが個人的には黄金比だと思うけれど。
そこでデザインソースは?ってところだけど、後身頃とパチポケのアクションプリーツのおかげでノーフォークジャケットを彷彿させる。ウエストベルトはないけど。広域でいえばゲームジャケットか。とは言いつつも個人的解釈でしかないので、鵜呑みにしないでいただきたい。こういうこと考えてる時間って楽しいよねってことで。

ちなみに裏地までデッドストックの生地を使わせてもらってます。グリーンのストライプ。これがまた正解だった。
カフスはないけど、ワンステップ調整可能なアジャスターボタンが袖口につく仕様。ほとんど飾りでしかないけれど。

HIGH WAIST TWO TACKS TROUSERS / 45,000YEN (EX-TAX)

そして名作。対のトラウザーはハイウエストの2タックトラウザー。ワイド微テーパードなシルエット。
これは形がよく即完を予見していたけれど、案の定ご紹介前に完売となってしまった。

セットアップでの着用。やり過ぎてない感じ。余裕があっていい。
トラウザーはストックないのだけれど。

「Deadstock Navy Velvet」

2つ目の生地セレクトはネイビーベルベット。
こちらも詳細不明のデッドストック。1970~80年代頃のテキスタイルでしょう。
アーガイル柄とは言えない菱形の織り目は、遠目からでも視認できます。

TWO LAYER FRONT JACKET / 64,000YEN (EX-TAX)
HIGH WAIST TWO TACKS TROUSERS / 41,000YEN (EX-TAX)

生地の変化だけでも印象がガラリと変わってしまうから面白い。キャラクターが180度違いますからね。
光沢感はそこそこで、古生地が故にマットな質感に落ち着いているので馴染みがいい。
写真だとヤンチャな方向に誇張されているような気がするけど、実物はけっこう真面目な子なので見た目に惑わされず袖を通してみてください。「あれ、意外と着やすいかも」って絶対に思う。
そしてこちらもトラウザーがはやくも完売です。嬉しい反面、ポテンシャルの高さに驚いた。
そして写真はないけどベルベットもジャケット裏地はデッドのグリーンストライプ。堪らん。

「Alpaca Black Herringbone」

さて、最後の生地のお披露目。
こちらは前2種のテキスタイルとは異なり現代の生地。アルパカ混のブラックウールヘリンボーン地。
なにかと古いモノ贔屓の僕が思わず唸り声を上げてしまった。質感ウェイトともにGOODです。

1B JACKET / 98,000YEN (EX-TAX)
HIGH WAIST TWO TACKS TROUSERS / 41,000YEN (EX-TAX)

こちらは唯一トラウザーのストックあり。
とは言えラスト1点。型は同じなので単体の写真はブラウンストライプをご参照ください。
そしてポイントはジャケット。

特筆すべきはカッティングとラペル。
これでもかと大ぶりなサイジング(そしてウエストの絞りなし)にして野暮ったさの欠片もなく、若返りもしない(言い回しが思いつかない。ヤング感がないと言いたい)構築的なカッティングは、デザインの構想からパターンを引き、縫製までを一貫して鈴木さんが行っているから成しえた妙。アルパカウールの落ち感も相まって、きれ~いなドレープが生じる。バランス重視で肩パットなしのドロップショルダー。

極めつけは独特な形状のラペル。一般的なチェスターコート以上に深い。身巾の大きさを視覚的に補っているや否や、ボタンを掛けずに着用することでカーディガンのような羽織り心地を演出してくれる。クラシックジェントルマンスタイルを体現しているのではなく、あくまでもGorschのフィルターを通すとひと味違うってこと。

このラペルの深さに対して1Bってのもいいよね。抜群です。
実はけっこう欲している。デニムと合わせたい。

袖口のディテールはレイヤージャケットと同様。
Gorsch式のテーラードジャケットってことで、こちらではセンターベントを採用。
ちなみに共生地のコートもオーダーしてましたが、入荷とほぼ同時に旅立っていったものですから、写真をご用意できませんでした。悪しからず。

前回BLOGと併せて今季の内容は以上。
すっかり長くなってしまったので本日はこの辺で。
実物に触れてなんぼの洋服なので、ご来店いただける方は是非。

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MAIDENS SHOP 田中

2020/12/07

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