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“ANSNAM”「始動」

MENS |

 

一枚のジャケットからはじまった。

あれは確かI am dorkの商談のためアトリエへ伺ったとき。だからもう1年ほど前の話。
無造作にサンプルが並べられたラックの片隅にそいつは居た。
凛とした佇まい。見るからにお高い(値段じゃなく)印象を受けた。恐る恐る袖を通してみたところ、見事にそのギャップにヤラれた。
程良い。これ以上に適切な表現が私の引き出しには存在しない。言語レベルを下げてもいいのなら、最高!このひと言に尽きた。
上品かつムーディな風貌ながらも適度にカジュアルしてる。私の中のアルチザン、テーラリングな先入観は見事に一蹴された。
聞けば、異国の地のミリタリージャケットのディテールを踏襲しているとのこと。そしてその逸品はMilitary Jacketだということ。
そんなの仕入れたいじゃない。てか欲しいじゃない。

刹那でI am dorkのことは忘れていた。本末転倒である。(しっかり内容は詰めましたよ。ちなみにSS21展。)
それから月日は流れFendartのスタート。あの美しいラインのスラックス。いつか自分用を誂えたいと思ってる。
だけど白金に訪れる度に思ってた。あのジャケットを店頭に並べたいと。
幾度となく逆オファーを送っては、お互いのタイミングに恵まれなかった。

そして、夜は明けた。
中野氏よりホールセール可能なダッフルコートが出来上がったとの一報が。
すぐさまアポイントを入れ、気合いも十二分。いざ、白金へ。

悲願のANSNAM / アンスナムがMAIDENS SHOPに上陸です。ずっとやりたかったんだ。
大学時代は白金にキャンパスがあったから個人的に所縁のある地だったんだけど、お恥ずかしい話、その当時ANSNAMだけはどうしても敷居が高く感じて入れなかった。自分で言うのもアレだけど、どこへでも気負いせず行けちゃう性分だったんだけど。(もう今は腰が重たいって言い訳してる。)
ダラダラ酒飲んでる場合じゃなかったな。
でもそれが時を経て、こういう立場になって、明日より販売するって。感極まる。

秋の夜長。いや、時すでに立冬。おセンチな季節には、おセンチな服を。ぜひ。

WOOL MILITARY JACKET / 143,000yen (tax-in)
Col:Taupe Grey
Size:3 / 4 (Sold)

WOOL ONE TUCK PANTS / 66,000yen (tax-in)
Col:Taupe Grey
Size:1 / 2 / 3

CARDIGAN with Patch / 41,800yen (tax-in)
Col:Haze
Size:4 / 5 (Sold)

CREWNECK KNIT with Patch / 38,500yen (tax-in)
Col:Haze
Size:4 / 5 (Sold)

 


【ANSNAM / アンスナム】

2006年、中野靖氏が立ち上げる。
ハンドメイドのテーラードスーツなど4型のアイテムからスタート。翌年よりミラノ、パリでコレクションを発表。
ANSNAMを創設する前は、様々な文化様式や伝統服飾に触れる目的で30カ国を巡り、民族衣装や工芸品に触れながらもハンドメイドの技術を学ぶ。帰国後はsacaiにてアシスタント、生産管理を務めた経歴をもつ。後に独立。
もといテーラーを志して服飾系の専門学校に進学したという中野氏だが、「イギリスのサヴィル・ロウを訪れたり勉強していくにつれ、いつしかテーラーの技術とファッションのデザイン性や世界観を融合できないかと考えるようになった。」
そして、デザイナーの道を目指したという。

「ANSNAMの魅力の9割は生地と言ってもいい。生地に触れることでインスパイアされ、服のデザインが生まれることもある。」(引用)

欧州各国から、国内はまさに全国津々浦々、生地のため職人のため飛び回る中野氏の審美眼は並々ならぬもの。
ことばの通り、他では滅多に御目に掛れないであろう極上な生地、ときにはデッドストックの生地とて、もったいぶる事なく裁断する。
生地への飽くなき追及は職人の技術にまで至り、2010年にはLYTHA / リタ―というプロジェクトを始動させる。
その本意は、仏教に伝わる「利他」、ギリシャ語で「流れる / Rythe」
製造のプロセスを露わにすることで、製作から消費までのすべての過程がクリエーションの根幹だという意思表示。
職人と信頼関係を築きながらコレクションを重ねてきたANSNAMだからこそできる妙。
素材、パターン、テーラリング、縫製に於いて常に高い水準を求め、それに応えるだけの技術をもつ職人が携わり、ときにはハンドメイドで1点物の製作にあたる。

そして、服のクオリティは然ることながら、型に嵌らない自由な発想もまた魅力。決して奇をてらうわけでもなく自然体なの。それもこれも、広域に渡る確かな知識と飽くなき追求心が故の巧妙、だと感じる。本当に凄い人だ。

2016年、白金台にショップ「ANSNAM cedar」をオープン。http://ansnam.blogspot.com/

当店ではお馴染みの「I am dork」「Fendart」を監修。


 

おセンチなのは私だけかもしれない。
まぁ、それはいいとして、かなり良いです。もちろん買いまして。

詳細はまた後日。
オンラインストアへの掲載は来週中。かな。
気になる方は一足先に店頭までお越しください。

ちなみにダッフルは生カシミア×ウール。同生地のバルマカーンもオーダーしました。
が、これらは11月末~12月上旬のデリバリー予定とのこと。うん、着れる時期。丁度いい。

こちらも明日「始動」

極上。

MAIDENS SHOP 田中

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2021/11/12

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