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【LEA BOBERG】
New Brand from London, UK

MENS |

 

革新的な発想と技術でメンズウエアを再解釈したセットアップに注目が集まる。
そんな期待のデザイナーに、先日のロンドン出張で会ってきました。

彼女の名前は、Lea Boberg / リア ボバーグ。

ロンドン郊外のトッテナムにアトリエを構えるリア。ご存知の通りプレミアリーグ・トッテナムの本拠地です。
その街は労働者が集まる地域故に治安が良くないとの情報を得ていたので万全な体制を整え向かった。
彼女の都合もありアポイントは夜の20時。
最寄り駅へはロンドン市内から電車で約20分ほど。昨今様々なデザイナーやアーティストが集うイーストロンドンと呼ばれるエリアより少し北に位置する超ローカルな街トッテナム。彼女のアトリエも本当にここ!?ってところに在って、物価の高騰が著しいイギリスで生活することの過酷さを察する。なんにせよ家賃が半端なく高いらしい。

アトリエが入る通り沿いの喧騒(というより向かいの建物からクラブばりの爆音)とはかけ離れた静寂のなかに彼女の仕事場が。ようやく会えたリア ボバーグ。

世間話をしながらところ狭しと並んだ型紙やサンプル、過去のアーカイブまでチェック。
コートにジャケット、トラウザーがそれぞれ1~2型といったミニマルなラインナップのなか、試作段階のベストがトルソーに。かなり興味深いが完成までしばらく時間が掛かるとのことで次に期待。

実はNew Brandと謳いながらもAW22より買い付けているので今回で3回目のバイイング。目的は来季に向けた別注生地の選定。彼女の意見を伺いながらもウチらしいセレクションをしてきましたが、これはまた8~9月頃、AW23のお話しです。

つまるところ、SS23のオーダー分が我々の帰国と同時に到着しまして。
秋冬のウールクレープも良きでしたが、これまた渋さのあるウールリネンのセットアップに英国製のコットンポプリンを使用した白シャツなど。とくに女性ならではのパターンにカッティング、彼女たらしめる意匠など語るべき点は多いのですが実際に着てもらわないと良さが伝わりにくい洋服ですのでここでの説明は割愛させていただき、明日4日(土)よりリリースいたしますのでぜひ店頭でご覧いただければと思います。

さて、本題へ。
本人にご協力いただきインタビューを行いましたので余計な編集なしにリアルな声をお届けしましょう。
ぜひ彼女への理解を深めてからLEA BOBERGの洋服に触れてみてください。見方が変わります。

1. Could you please tell us about your background?

「あなたのバックグラウンドについて教えてください」

I was born on a small island, Funen, in Denmark and moved to the capital, Copenhagen, to begin my BA in fashion womenswear at a small craftmanship school. After finishing my BA in 2017 I moved to London to start my Masters in Fashion Womenswear at The Royal College of Art. After graduating I started working for the British Heritage brand Casely-Hayford as their Ready-to-wear Designer. My studies predominately entailed Design first and making second, so I’ve had to take on learning advanced pattern cutting on my own, which has proven to be a great skill as it enables me to cut all my patterns myself.

私はデンマークのフュン島という小さな島に生まれ、コペンハーゲンのとある小さなクラフト系の大学でレディースウェアのデザインを学びました。コペンハーゲンで学位を得たあと、2017年にロンドンのロイヤルカレッジオブアートでレディースファッションの博士号を取得しました。
その後、ケイスリー・ヘイフォードにReady to wearのデザイナーとして入社し、現在もパタンナーとして働いています。
パターンメイキングはケイスリー・ヘイフォードに入社後、独学で学びました。学生時代に学んだ洋服を作るアプローチではデザインのあとに必ずパターンワークがあるためです。ケイスリー・ヘイフォードでのパタンナーとしてのキャリアは、自身のコレクションを制作する際にとても重要なアドバンテージになっています。

Designer / Lea Boberg

2. What made you to start your own brand?

「ブランドを立ち上げたキッカケは?」

I’ve always wanted the right kind of slow paced environment to begin exploring my own designs after graduating my Master, as I believe considered designs needs time and it was difficult finding extra time with full time job, freelance jobs etc. So when the pandemic and lockdown happened in March 2020 I decided the time was right to start my own brand building on from my final MA collection ‘interim’. Everything was forced to slow down and I really had the time to re-visit and reiterate some old designs to get it right.

I’ve always wanted to work on a very small scale, with small collections and small productions so I can stay in control. Sadly the bigger your brand gets, the more admin and less design you do and I would never want to compromise my ideas/creativity for up scaling my brand. Furthermore creating something of your own is an amazing feeling and even better when it’s well received.

私は常にゆったりとした環境の中で、自分のペースでデザインをしたいと思っています。熟考されたデザインは常に多くの時間を必要とするからです。デザイナーとしてケイスリー・ヘイフォードでフルタイムワークをしながら、他のデザイン活動をするのは非常に難しいことです。
なので2020年の3月、パンデミックでロックダウンになった際に自身のブランドをスタートすることに決意しました。
ちなみにファーストコレクションはロイヤルカレッジオブアートの卒業コレクション”interim”がベースになっています。過去のデザインを現代的に表現することにフォーカスしました。

ゆったりとしたペースでデザインしたいということと共に、常に小さなスケールでのビジネスでありたいとも思っています。小さなコレクション、小さな生産アトリエで自身の目の届く範囲で活動をしています。
残念ながらブランドが大きくなってしまうと管理ばかりが仕事になり、デザインはあまりできません。それに自身のアイディアやクリエーションをブランドが大きくなるための養分として乱用したくないのです。
単純に美しいデザインを生み出すことが素晴らしい気分になりますし、そのプロダクトが誰かの手に渡って喜んでいただければもっと嬉しいのです。

R.P.L. BLAZER

3. What is the most important thing during your creating or designing clothes?

「服を作ったりデザインしたりする際に最も重要視していることは何でしょうか?」

Time.. enough time and a calm environment, is the most important thing when designing my garments. It took me a year to get the D.P. Trousers just right, so time is essential to my process. For me a calm environment makes for comfortable, considered and functional designs.

時間ですね。静かでゆったりとした環境での十分な時間が私の洋服をデザインするために最も大切なものです。
今期のDeep Pleat Trousersというモデル (今季オーダーした品番) は完成するまでに一年かかりました。
私にとってゆっくり考える時間というのはとても心地よいですし、素晴らしいデザインを考えるためにはとても重要なものです。

4. Who are some of the women for whom you are inspired?

「インスピレーションの源となる女性は?」

I don’t look towards a particular profession or look or person. For me it’s very much about women’s internal strengths – women’s emotional and spiritual strength are very inspiring and can be very magical and uplifting. Sadly these strengths are often looked upon as weaknesses in our extremely male dominated, competitive and capitalistic world.

So it can be the single mom, who’s managing to raise a kid whilst finishing her education and having a parttime job. Or the feminist activists fighting for equal rights whilst risking their own. It’s tough being a woman and I like to the suit crumble and soften a bit.

特定の職業、ルックス、人物に影響を受けることは少ないですが、女性の内面的な強さに惹かれます。女性の精神的、感情的強さに強く影響され、高揚させられます。残念ながら現代我々が生活する資本主義で男性に支配された競争社会ではそういった女性特有の強さは弱さと捉えられることがあります。

なので、強いて言うと学業に勤しみながら、あるいはパートタイムで働きながら子育てをするシングルのお母さんや、自身の社会的リスクを脅かしながらも男女平等の権利を主張するフェミニスト活動家などには強い共感を覚えます。女性でいるのは大変ですので男性的なスーツを少し崩してソフトにするのが好みです。

D.P. TROUSERS

5. Are there any things you are recently focusing on or would like to challenge in the future?

「最近力を入れていること、今後挑戦したいことはありますか?」

So many things, that are absolutely impossible to do alone.

But one thing I’m very conscious of it not to upscale my brand too much as that automatically leads to bigger productions and therefor more clothing in a world that simply doesn’t need anymore. I want to keep everything on a very small scale so I can keep all manufacturing in London and focusing on optimizing British micro manufacturing and the improving the quality of make. I also just love that everything is local. I can go and speak with the head of manufacturing any time I’d like to discuss technical solutions etc – I wouldn’t be able to do that so seamlessly if my production was abroad. I appreciate all the personal relationships I’m building with industry people in London, as they’re all part of making my garments come to life.

Furthermore the pressure of the existing structures of the fashion industry is exhausting and the pace is too fast. I’m Danish and we like to walk slowly. Just like my clothing – made slowly. So making 3-4 big collections annually will never happen for me, as I’d be doing it to please other people and not myself. I’d like to still love what I do in 20 years.

To sum up, I guess challenging existing structures of the fashion industry I’d say is always on my mind.. sometimes a bit too much.

とてもたくさんあって一つに絞りきれませんね。
一つだけ確実なのは自分のブランドを大きくすることはないということ。大きい工場によるオートマチックなプロダクション、そしてマーケットが必要とする以上の供給からは距離を取っていたいと考えています。
私のコレクションはすべての生産をロンドンで行っています。地元の小さな生産者と共に成長していきたいと考えているのです。そうすることで、いつでも技術的なことやパターンの変更などのディスカッションができるからです。海外の工場だとそれができませんからね。私が関係を築いたロンドンの生産者たちにはとても感謝しているし、彼らは私のコレクションのクリエイターの一部だと考えています。

それに現代のファッションビジネスはとても強いプレッシャーがありますし、何より物ごとのペースが速すぎるように思います。私はデンマーク人であり、デンマーク人はゆったりと歩むことを好むのかもしれません。そのかわり20年後も同じようにデザイナーでいることを好きでありたいと思います。

なので、既存のファッションビジネスの構造とは異なる方法でビジネスを続けていくことを常に心がけるようにしています。

SANDWICH COLLAR SHIRT

6. What are the important aspects of your life?

「最後に人生で大切にしていることを教えてください」

I like my alone time.. I love my friends and family and social gatherings etc, but nothing beats a quiet evening by myself. Cooking a lovely meal, lighting candles, playing some good music, watching a film or reading a book.. It gives me space to allow my mind to wander and honestly that’s when the ideas come.

Also balance between work and leisure and not blurring the lines too much. It’s very easy to do today, so I try my best to keep everything separate. Work on Lea Boberg when I’m at my studio, work for Casely-Hayford when I’m at the office and relax and reboot when I’m at home – even if it’s just for a couple of hours before bedtime. (doesn’t always happen, but I try)

一人の時間ですね。友達や家族と過ごしたり、人と集まったりすることは大好きですが、一人でゆったりする夜にはかないません。料理をしたりキャンドルに火をつけたり、好きな音楽、映画や本を楽しんだり…
その時間がものごとをゆっくり考える時間になりますし、新しいアイディアが湧いてくるときでもあります。

また仕事とプライベートの時間が曖昧にならないよう意識しています。Lea Bobergのワークをするときは自身のスタジオに、ケイスリー・ヘイフォードのワークは彼らのオフィスで、そして家にいるときは、たとえべッドに入る数時間前だけだったとしてもリラックスすることに集中します。(毎日というわけではないですが…)

R.P.L. BLAZER
Col:Grey Stripe
Size:3
※写真よりも明るめのグレー

D.P. TROUSERS
Col:Grey Stripe
Size:3
※写真よりも明るめのグレー

SANDWICH COLLAR SHIRT
Col:Ivory
Size:3 , 4
※写真通りの色味でアイボリー感はない

ロンドンを拠点とするデザイナーたちの繋がりは強い。
Monad Londonのダニエルも、Olubiyi Thomasも、Nicholas Daleyも皆んな友人らしい。この旅でいちばん最初に会った人物がリアだったので、その後の旅路で彼女の話しをすると「彼女は元気かい?」「クリエーションはどうだった?」と、話の節々から互いへのリスペクトが伝わった。

聞いてる我々もなんだか嬉しい気持ちになった。

Our Store&Online:2023.2.4.(sat) 12:00~ Release.

MAIDENS SHOP 田中

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2023/02/03

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