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【Tricker’s × MAIDENS SHOP “CHURCHILL”】-22AW Season New Release-

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前回のCHURCHILL別注はMAIDENS SHOPの5周年記念としての企画だった為、7周年目である今年のリリースとなると実に2年ぶりとなります。
以前からMAIDENS SHOPではTricker’sへの様々な別注商品を企画してまいりました。記憶に新しいところではQuilp by Tricker’sとSUN/kakke、MAIDENS SHOPによるエクスクルーシブであったり、ディアレザーによるサイドゴアブーツなど…型や素材含めて試行錯誤を繰り返しながら、当店の足元にふさわしい1足を模索してきました。
そんな数あるTricker’sとの別注企画の中でも初となる同型への別注第二弾となれば、我々スタッフのCHURCHILLへの強い愛情を感じていただけるのではないでしょうか。

そもそもルームシューズなるこの手のベロア素材のアッパーを用いたスリッポン型のシューズは、歴史ある履物、かつ、たびたび市場でも目にする機会も多くありながら、意外とその正体を詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。まずはこの少し風変りな靴のルーツなどについて触れながらご紹介していきたいと思います。

そのつくりから質実剛健という言葉で表現されることが多い、英国ノーザンプトン最古のシューズメーカーのTricker’s製シューズ。その代表モデルといえばトリプルソール等の頑丈な靴底にフルブローグのアッパーなどを用いたカントリーシューズなどが挙げられ、同ブランドの一般的なイメージもそういった野趣的なものかと思われます。しかし一方で、ルームシューズの代表モデルとしてTricker’sのCHURCHILLが挙げられることもしばしば。ではなぜこのようなルームシューズがTricker’sから生まれたのでしょうか。
まず、ベロア素材でスリッポンタイプの履物は、18世紀末頃に貴族が屋敷内で着用するものとして誕生しました。ちなみにヴィクトリア女王の夫であるアルバート公が愛用していたことから”アルバートスリッパ”と呼ばれることもあるそうです。そして、同じくルームシューズを愛用していたのが、政治家としてだけでなく洒落者としても語り継がれるウィンストン・チャーチル。その最高級品しか好まないとされたチャーチル首相が、自身で納得のいく1足を求めてオーダーした先がTricker’sだったのです。その後にTricker’sによるルームシューズが上流階級の間で評判となり、オーダー以外でも定番品として作られるようになりました。政治だけでなく当時のチャーチル首相によるファッション面への影響力の偉大さが垣間見えるエピソードです。

CHURCHILL / 57,200 yen (tax-in)
Col:Green
Size:6H / 7 / 7H / 8 / 8H / 9

前回別注の蝶と鮭に続き、この度のモチーフは鴨です。現在ではTricker’sだけでなく英国を中心とした幾つかの靴メーカーからもルームシューズが展開され、刺繍のモチーフも同様にバリエーション豊富ですが、先述の上流階級によって愛されていた頃は、持主のイニシャルや家紋、また家紋に取り入れられている動植物等のモチーフがアッパーに施されていました。MAIDENS SHOPと鴨の関係はございませんが、実は貴重なデザインとなっております。ルームシューズ自体は日本国内のTricker’sの旗艦店にてモチーフのデザインやベロア部分の色も含めてカスタムオーダー可能ですが、この可愛らしい鳥は現在のオーダースワッチに存在しておらず、本国の古いスワッチにて見つかったモチーフです。もちろん、国内にて今まで展開されたこともございません。また、鴨のカラーリングに合わせてアッパー部分はグリーンのベロアを選択し、履き口部分のステッチも同色にて色味を統一することで、ルームシューズらしい品の良さを損なわないようにしております。

なお、もともとの文化的な背景としては、同じくベロアやシルクで仕立てられたショールカラーやスモーキング、イヴニングジャケットあたりと室内履きとして合わせられていた靴ですが、もちろん屋外で履いていただく前提です。その為ソールには製品時からハーフラバーを貼っておりますので、安心してすぐにお使いいただけます。当時は華やかさを演出する為にライニングに鮮やかな色を選び、洋服と合わせてキルティング等の素材がスタンダードだったとの事ですが、レザー仕様(グリーン系)に変更することで外履きにも対応できるようにしております。

冒頭では”上流階級の室内履き”とご紹介しましたが、エレガントな履き方じゃなければいけないわけではございません。ベロア素材であるが故、今の気候では少し無理があるかと思いますので、気にすべきポイントは季節感くらいではないでしょうか。次の秋冬シーズンへ向けての先物買いとしてオススメです。デニムに合わせてカジュアルアップするのも良し、モチーフのデザインを活かして、ジャケットやセットアップスタイルにユーモアを添えるのも良し。かつて一部の限られたコミュニティでのみ普及していたものが、用途を変えてこれほどまでにも市民権を得たのであれば、それが今の新しい楽しみ方なのだと思います。皆さまもぜひ、思い思いにコーディネートを楽しんでいただければと思います。サイズ選びについてのご相談も承りますので、その際はお気軽にお問合せくださいませ。
スタッフ一同、皆さまのご来店を心よりお待ちしております。

MAIDENS SHOP 山田

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2022/07/30

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