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【TENDER CO. 】-24S/S COLLECTION-

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洋服を見るときにまず生地から見てしまう。そこから大まかなシルエットやディテールと焦点を絞っていく。ただそれはきっと殆どの人がそうであろう。作り手ではないので、シルエットや機能的な細かいパターンのポイントについては真に理解しているわけではない。そうなると僕たちが興味を持てる要因としては触ったとき、着たときの感覚、もっと言えば最初はハンガーにかかった段階で良いと思える生地かどうかだろう。良い生地かどうかの感覚は人それぞれで、絶対的なことは決してない。だが僕たちはTender Co.の生地は不思議と毎回良いと思ってしまう。

DOUBLE CUFF MANDOLIN POCKET SHIRT / 63,800yen (in-tax)
Col : MARS BLACK / HADAL GREEN SOLD OUT
Size:4
Matl:COTTON

生成りの糸と、漂白された糸を織り交ぜた平織のコットンキャンバス生地のシャツ。染色されると微妙な色調と質感の変化として表現される。このシャツが作られたきっかけは、元々の生地幅が狭く、既存のシャツパターンだとはまらなかったというファブリック優先な理由。細めのロールの生地を活かし、身頃と袖下にかけて細長いパターンをはめ込んでいる。ボタンはサヴィル・ロウ・テーラーのデッドストック。素材はメラミン樹脂。

MARS BLACKは磁鉄鉱(マグネタイト又はロードストーン)に含まれる酸化鉄から得られる顔料で染められている。19世紀後半に開発され、ローマ神話の戦と農耕の神マルスにちなんで名づけられた。

HADAL GREENは反応染料で実現できる最も深い色で、どの天然染料よりも濃い色になる。天然染料と同様に縫製後に全体を染めており、生地や仕立て方によっても染まり方のトーンや深さが異なる。こちらは超深海帯(ヘイダルゾーン)から名付けられており、これはギリシャ神話に登場する冥界の王ハデスにちなむ。

シャツとは言うものの羽織感覚で使うイメージ。はめ込んだパネルピースにポケットが配され、シャツジャケットと言っていいだろう。ポケットはフロントではなく、サイドの縫い目に沿ってあしらわれており、前から見たときはミニマル。

真っすぐ合わせるなら生地感のあるシャツやボトムスだろうが、ウールのスラックスやハイゲージのニットなんかとも合わせたい。正直スタイリングについてはそこまで悩む必要もないので、迷ったらデニムとTシャツに羽織れば◎。

SHORT SLEEVE THREE POCKET SQUARE TAIL SHIRT / 57,200yen (in-tax)
Col : ANNATTO / RED OCHRE / PRUSSIAN BLUE
Size:5
Matl:LINEN

英国の伝統的なテーラードコート、カバートコートに用いられるカバートクロスから着想を得て開発された生地。元々カバートコートは狩猟中に着用され、薮や茂みでの活動を想定した高密度の織物で仕立てられていた。高密度でタフが故にトゲ防止の生地としても知られる。これをナチュラルリネンを用いてややまだらがかった目の詰まった丈夫な綾織りで仕上げている。

ANNATTOはアキオテ(ビクサオレラナ)という南アメリカ北部とメキシコの間の地域に自生する低木の砕いた種子から得られる天然の染料を使用。伝統的にボディペイントとしてメキシコでは16世紀まで使用されていたらしい。

RED OCHREは鉄から色を得る天然の顔料。酸化鉄であるヘマタイトという鉱物から赤みを帯びた色になり、水和すると赤褐色に変化するらしいが、正直化学に疎いのでなるほどとは全くならなかった、、、。南アフリカのケープタウン郊外にあるブロンボス洞窟の壁にはこの染料を使って絵が描かれているそう。

PRUSSIAN BLUEは1704年にベルリンで発見された顔料。錬金術が流行っていた時期に顔料の製造の過程で偶然発見された。陶磁器の彩色として当時は広く使用されたらしく、今でも塗料、青写真、印刷インク、絵具に使用されたり、医薬品や着色用農薬としても使用される。

これまでのTENDER Co.にて展開したシャツのデザインをいくつか組み合わせており、スリットを施したシンプルなスクエアボディの一枚は、サイドシームから中央にかけて縫い付けられた大きなパッチポケットと、左胸のポケットの計3つがあしらわれている。袖丈は肘のすぐ上くらいの長さで設定。ボタンは先ほどと同様にデッドストックのメラミン樹脂のボタン。

半袖シャツはこのくらいカラーがあっても良いんじゃないかとオーダーした今回。兎に角色が良い。染め上がりの温かみのある発色や色ムラなど、語彙力が足りず上手く良さを伝えられないので、実物を是非ご覧ください。

まだ気温的にも店頭には出していないが、気になる方はぜひお尋ねください。

ELEPHANT EAR POUCH / 28,600yen (in-tax)
Col : ANNATTO / MARS BLACK / PRUSSIAN BLUE / COCHINEAL
Size:OS
Matl:COTTON

養蜂家の衣服の生地からインスピレーションを得たチェックのセル構造が特徴的な平織りの綿布を内布に用い、外側は産業用のコンベアベルトに使うタフなコットンキャンバス生地を使用したポーチ。前回はウールの素材の生成り色でのみオーダーしていたが今回は4色オーダーしている。

前述したように外側は1枚のコットンキャンバス生地を折りたたみ出来ており、ポーチはコードを引っ張り巾着を閉じるシンプルな作り。コードを通す部分には耳があり、真鍮の金具で背面まで留められている。

COCHINEALは雌のコチニールカイガラムシをすりつぶして乾燥させた赤色の顔料で、服の生地や口紅などの染料や食品の着色剤として使われている。コチニールカイガラムシは中南米原産のサボテンに寄生する虫で綺麗に赤が出る為、中世のヨーロッパでは画家たちの絵具として重宝された。

財布、携帯、タバコくらいはすっぽり収まる、ちょっとしたお出かけには嬉しいサイズ感。これから軽装になるにつれて、なんか物足りないという時の装いのアクセントにもなり得るかと。来る春に向けて気分も新たに色を取り入れてみてはどうだろうか。安っぽい締めの言葉になり申し訳ありませんが、春に向けての新入荷が続々と到着している為、是非一度ご来店いただければ幸いです。

本日ご紹介した商品はTHE STORE BY MAIDENSでもご覧いただけます。


【Tender Co.】

エビスジーンズ(EURO EVISU)でデザイナーに就任しロンドンの紳士服街であるサヴィル・ロウ(Savile Row)ではテーラーリングの技術を学び、岡山県児島ではデニム生産全般に携わった William Kroll/ウィリアム・クロールが2010A/Wシーズンにスタートしたイギリスのファッションブランド。
ブランド名の「TENDER」とは、蒸気機関車の一部分で、石炭と水を運ぶ貨車の名前を意味し、19世紀のイギリスの蒸気機関車が走っていた時代の作業着にインスパイアされたコレクションを展開している。


MAIDENS SHOP 上田

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2024/03/21

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