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【RICHARD MASCIANTONIO】-NEW BRAND FOR USA-

MENS |

今回より取り扱いがスタートするRICHARD MASCIANTONIO。
系列店のUSONIAN GOODS STOREでは2年前より展開しているのでご存知の方のいらっしゃるかもしれません。
今アメリカに現存する本当に数少ない超本格的なテーラーのブランドです。
サヴィルロウ出身でよくあるようなニューテーラーみたいな感じではなく、もっと土着的でアメリカの古き良きを重んじており、こういったブランドの精神性はWYTHEやWILLIAM ELLERY、ROWING BLAZERSにも通ずるところがあります。
しかしリチャードはより閉鎖的。大量生産を拒み、映画の衣装提供やプライベートのオーダー(ビスポーク)をメインに物づくりを行っています。
それはデザイナー本人が「売りたい」という考えよりも、自分の作品を共感してもらい気に入って長く着て欲しいという考えが根底にあるからです。
そんなことは物を見れば一目瞭然です。出来栄えがあまりにも良すぎて、作品と呼びたいと思うほどに。そのくらいリチャードの洋服では丁寧な手仕事を堪能することができます。

またこのブランドの不思議なところはアメリカの古き良きを重んじているんだけれど、どことなくヨーロッパの雰囲気も感じるんです。
それは彼がイタリア系のアメリカ人だからでしょうか。作品の中でもアルマーニから影響を受けているものがあったり、自国にいながらもアメリカンスタイルを客観的に捉えられているのです。

これが単に「ヨーロッパから見たアメリカ」ではなく「アメリカ人がヨーロッパの要素を持ちつつアメリカを再解釈」になるのがすごくグッとくる。

彼のキャリアについて、、、
RICHARDは自身のブランドのだけでなくMartin Greenfield Clothiersで現在ヘッドパタンナーも務めております。
Martin Greenfield Clothiersはニューヨークの仕立て屋。創業者の故マーティン・グリーンフィールド氏は70年以上勤めており、歴代大統領やハリウッドスターなど偉大な顧客リストも抱えておりました。
マーティン・グリーンフィールドは昨年3月にこの世を去り、今では息子のジェイとトッドが会社を継いでおります。

 

そんな彼は自身のブランド「RICHARD MASCIANTONIO」で映画衣装も手掛けており、2017年のThe Greatest Showmanのヒュー・ジャックマン、2019年のJokerのホアキン・フェニックスにも衣装提供をしていたとの事です。

由緒正しいところでヘッドパタンナーを務めているRICHARDの服のパターンはとても理に適った美しいフォルム。どんなカジュアルな洋服でもルーツであるテーラーの要素を感じられずにはいられません。
前置きはこの辺にしておいて、そんな素晴らしいRICHARD MASCIANTONIOで我々がオーダーした商品のご紹介をさせていただきます。

DOUBLE MAC JACKET / ¥195,800 – (Included Tax)
Col :BROWN PLAID , BLUE / BROWN PLAID DEADSTOCK
Size : S , M , L

何かと見覚えのあるジャケット。
そう、我々の大好物。アメリカンハンティングウェアでお馴染みのCRUISER JACKET。FILSONなどのアレです。
フロントには4つのパッチポケット。下のポケットは横からもアクセスできます。後ろにはゲームポケットが付いており、当時は狩猟した動物を入れる用途だったのでかなり大容量です。
袖から肩、胸部にかけて生地が2重になっており、恐らく雨に降られても体まで染み込んでこない為か、重たい荷物や銃などの摩擦に耐えられるようにという用途からでしょう。
アメリカのヴィンテージミリタリーやワーク、アウトドアウェアの魅力はこういう利便性を突き詰め、要素を足しまくっててんこ盛りさせているところ。それは民藝でいうと用の美であり、 アメリカの建築家ルイスサリヴァンの言葉でいうところのForm follows function.(形態は機能に従う)
ただ、あまりにも合理的過ぎてスピーディーかつ大量に生産しているせいか、どのウェアもまあグダグダな仕立て。勿論それがアメリカ服の面白さでもあり愛嬌でもあると思います。
そんなCRUISER JACKETをRICHARD MASCIANTONIOの丁寧な仕立てで作りあげたら、まあ堪りません。
まずステッチワークの綺麗さ。運針が細かくブレることのない線。この厚さの生地でここまで仕上げられる技術力には、本当に感心します。
パターンは、身幅や肩幅はややタイト。身にまとった時程よく体に沿ってくれるようなシルエットでありながら、動きやすさもしっかり確保されております。
これはMartin Greenfield Clothiersでヘッドパタンナーを任されているリチャードだからなせる業でしょう。こればかりは着ていただければ納得するはずです。
そしてこの生地。CRUISER JACKETにチェックはもう言うまでもなく最高の組み合わせですが、よく見る定番のブロックチェックにはない品の良さが漂います。
元ネタにリスペクトを込めて二重の箇所のパターンを斜めにしている所も粋すぎます。
重さも程よく重量感はあるのですが、一日着ていても疲れはでないくらいの重さ。丁度いい。
コテコテのアメリカンウェアだけれどどこかエレガント。冒頭で書いた「アメリカ人がヨーロッパの要素を持ちつつアメリカを再解釈」という言葉がすごくしっくりくるジャケットです。

DOUBLE MAC JACKET / ¥239,800 – (Included Tax)
Col :NAVY CASHMERE
Size : S , M , L

こちらは更にエレガントにデッドストックのカシミヤ100%。
日焼けをしたようなやや赤みのあるネイビーで、写真でも見て取れるほど美しい光沢を放っています。
どこかの高級百貨店に卸していた生地との事で、当時の超ハイグレードなカシミヤを使用しております。
やや毛足が長く赤ちゃんの産毛の様なソフトなタッチが特徴的。こんな生地をCRUISER JACKETに使用する辺り、センスが良すぎる。
これだけではありません。この生地のみ手縫いの箇所を多く取り入れ、さらに手間の掛かった仕様に。
例えば上記写真のブランドのタグ付け。チェックの方では、普通にミシンで留めておりますがこちらはハンドのクロスステッチ。前立ての裏も同じように手縫いです。
そして驚くべきところは、ボタンホールも。これがアピールとして手縫いをしてるブランドは敢えて粗く縫われていたりするのですが、RICHARDは機械と見分けがつかないくらい綺麗。
全体で見たら正直手縫いだろうがミシンだろうが、大した違いにはならないですし、機能的にもなんら変わりはないと思います。
しかし古の時代から、高級服と位置づけされているジャケットのラペルや、開襟シャツの襟、パンツのポケット縁などには、ハンドステッチの意匠を施しているものが存在し、この細かい箇所にこそクラフトマンシップが宿っているのです。
私自身、この細かい手縫いの箇所があるだけで「あ、良いブランドだ」って認識してしまいます。安直かもしれませんが、そのくらい大事にしており、皆様にも声を大にして伝えたいポイントです。
マイサイズが旅立ってしまい大変うれしくもあり買えなかった悔しさもありますが、残りのLサイズは是非とも共感してくださる方のもとに届いたらいいなと思っております。

THE CORDUROY OVERSHIRT /  ¥129,800 – (included tax)
Col : BROWN
Size : L , XL

両胸のマチ付きポケットが目を惹くシャツ。アーカイブを見るとこのフラップに二個ボタンを付けるデザインは、他でも良くやっておりRICHARDのアイデンティティと言っても差し支えないでしょう。
元ネタはCPOシャツでしょうか、先ほどのジャケットに比べてアレンジはやや多め。
他の商品もそうですが、あくまでビスポークの観点から既製品を作っているのでオーバーサイズのものは少なく、身体に沿うようなシルエットの物が多いです。
ですがこのシャツに関しては、名前の通り全体的にやや大きく作られており、シャツジャケットのようにゆったり着て頂けます。
肩線の出ないヨークスリーブとなっているので、可動域が広がるだけでなく、オーバーサイズで着ても落ち感がしっかりと出てくれるディテールです。
先ほどジャケットも肩線が見えませんが、彼はビスポーク出身なので、既製品は肩線をあえて無くしたほうが綺麗に見えるという考えなのでしょうか。
最近はセットインでも肩線を落とすのが当たり前になっていますが、彼の美学には合わないのかもしれません。
そしてこの生地。ソフトなコーデュロイで起毛も肌ざわりなめらかです。
ややベージュ寄りのブラウンで赤茶、黒のネップが入った色味です。店頭に良くお越しの方はお分かりかと思いますが、この感じの生地は今シーズン気分なやつです。
例えばツイードのジャケットや、ブラウンのレザーなんかのインナーにすごく合いそうなイメージですね。

THE CORDUROY TROUSERS /  ¥96,800 – (included tax)
Col : NATURAL , TAN
Size : 30 , 32 , 34

牧歌的だけれどエレガントで、色気のあるパンツ。
遥か昔のよく分からないネームのタグが付いている、まだ良い仕立て屋さんがトラウザーを作るのが当たり前だったころのあの感じ。このパンツも何十年後かに発掘されたら「良く分からないブランドだけどいいパンツだな~」なんて色あせない輝きを放つパンツになってくれるであろう。
シルエット自体は股上は深く取られていますが、腰位置はハイウエストとかではなく、腰もそこまで絞られていない。ワイドで微テーパードシルエットくらいのリラックスしたフィッティングです。
普段このブランドは腰位置を高くして綺麗に穿く提案なのでしょうが、これは気張らずにラフに穿いていただきたい。本当に良いパンツはそれでも他とは違う「何か」がきっと出ているはずです。
私は先ほどのように細部を見てしまう癖があるのでパンツはどうしても裏っ返したくなってしまう。
やはりこのパンツもでした。マーベルトがしっかり手縫いで施されていました。この時点でいい仕立てのパンツだと確信しました。勿論その他の箇所もまあ丁寧でした。
ヨーロッパではいいパンツのファクトリーや仕立て屋さんがまだ残っていると思いますが、アメリカにもこんな良いパンツを仕立てられる職人っていたんですね。RICHARDは絶滅危惧種であり、そういった面では今後も支持していきたいと強く思いました。
このコーデュロイの色味や生地感(THE CORDUROY OVERSHIRTと似た柔らかい風合い)もアメリカのおじさんが穿いてそうなんてステレオタイプな考えに陥ってしまいそうですが、こういうトラディショナルなものこそ何にでもあってくれる万能パンツだと思います。

是非写真だけでは未だ全貌が見えないであろうこのRICHARD MASCIANTONIO。
今回のブログは熱量120%で書いたつもりですが、やはり一度実物を見て、触って、着て体感していただきたい。
アメリカ好きはもちろん、デザイナーズ好き、ヨーロッパ好き、ドレス好き、、、全方位に自信を持ってお勧めします!

ご来店お待ちしております!

ONLINE STORE|RICHARD MASCIANTONIO

 

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2025/11/23

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