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“SUN/Kakke -CHANCE-“

MENS |

 

前回の続きでSUN/Kakkeのご紹介。
来週中にはっと宣言した手前、ギリギリ間に合いました。

本日のお題は「着るアート」です。

CHANCE / 50,000YEN (EX-TAX)
-SAMIRO cloth chanchan waistcoat-
COL:4種

日本を代表する染色家であり、型染の第一人者として知られる柚木沙弥郎(ゆのきさみろう)氏の小巾布を使用したウエストコート。その名もCHANCE。全体画は後ほど飽きるほどお見せしますので、まずは柚木沙弥郎氏について。

1922年生まれの御年99歳。画家の家に生まれ育った柚木沙弥郎氏は、柳宗悦氏が提唱する「民藝」との出会いを機に紆余曲折を経て、後の人間国宝として認定される芹沢銈介氏に師事し様々な染色技法を体得。代表的な作品はやはり染布であるが、柚木氏の活動の域は留まることを知らず、リトグラフや絵本、絵葉書やガラス絵など多岐にわたる。「民藝をアートへと昇華させた」とはよく耳にするが、それほどまでに柚木氏が後世に残した功績は計り知れない。3年連続でパリのGalerie de l’Europeにて個展が開催されるなど国内外問わず高い評価を得ており、名実ともに染色界の巨匠としての地位を確固たるものにされている。私なんかが柚木氏をご紹介をするなどあまりに畏れ多い。

近年は好んで使っていた染料の枯渇や型紙の老朽化、職人の高齢化などから、従来の型染での制作を続けることが困難になってきているようで。今回の小巾布も然り、型染に変わる方法としてシルクスクリーン(手捺染)を取り入れ、模様の雰囲気、色、風合いをできる限り忠実に再現して制作されています。

6 GUYS = 6人
SIZE:S / M

KAMABOKO = かまぼこ
SIZE:S

SPADE = スペード
SIZE:M

BIRD GRASS = 鳥草文
SIZE:S

そんな柚木氏のアーカイブより「6人」「かまぼこ」「スペード」「鳥草文」の4種を使用したCHANCE。即決ですべてオーダーいたしました。とりわけ「6人」はキャッチ―かもしれませんね。1982年に製作された染布「並ぶ人」と同デザインで柚木氏の代表作のひとつでもあります。言うまでもなく、この小巾布(綿100%)にもリミットがございましたので入荷サイズはまばらです。タペストリーやテーブルライナーとしての用途でもある小巾布の手捺染による生地の表情は◎

文字通りウエストコートということでベストというよりはジレ。一番上に羽織るのではなくジャケットの下に潜ませてあげる。写真はあくまでも着用時のイメージ。
CHANCEの下にはシャツないしハイゲージのニットソーで十分です。重ね過ぎず、ニュアンスは3ピースの一端としてスマートに。ワードローブに加えてタフ(頻繁)に着用するようなモノではございませんから、たまの贅沢なひと時や、部屋に飾っておくのも。(せっかくなら着てください)

前立てにはひっそりと「こはぜ」がつきます。足袋の履き口についている金具です。金具を引っ掛けることで半被?半纏?のような見た目になるギミック。
今作に限っては和の要素が大半を占めておりますが、和洋折衷を体現するSUN/Kakkeだからこその調和と言うべきかもしれません。

最初はセオリー通りに、ゆくゆくはそれぞれのアレンジをお楽しみいただければと。
柚木沙弥郎氏についても ご興味あれば是非調べてみてください。

“THE STORE BY MAIDENS“
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☎:03-5410-6686
✉:shop@maiden.jp

MAIDENS SHOP 田中

2021/02/07

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