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【DIMISSIANOS & MILLER】-SPRING/SUMMER 2022-

実に3年ぶりの。

【DIMISSIANOS & MILLER / ディミッシアーノ・アンド・ミラー】
1948年にギリシャはコルフ島にて産声を上げたシューズブランド。
Tsarouhiと呼ばれる大統領警備員用の伝統靴を中心に作っていた父からDimissianosが継承。
伝統を踏襲しつつも、現代的な要素を織り交ぜた編集によるユニークな作風が多く、シンプルながらも知性と遊び心がそのデザインに落とし込まれる。
現在2代目が継ぐ同社は、すべての工程をディミッシアーノ本人と数名の職人による手作業で製作しており、未だ目が行き届く範囲での生産を貫く。
熟練の職人技術によって生み出される1足は、まさに質実剛健そのもの。
「永く履いてもらいたい」という共通認識のもと1足ずつ確実に、そして丁寧に。小規模ながらも後世に残る良きモノ作りを続けている。

（※私物)

いきなり失礼。こちらは3年選手の私物。
写真を見るや否や「焦げたパンみたい」と酷評だったけど、気に入っている。
確かに焦げたパンの如く黒ずんでるけど、エイジングといえば聞こえはイイ。

すっかり履き慣らしたもので、購入当初こそ、まさか此奴が一日中履いていられるまでに馴染むとは想像もつかなかった。それだけ彼の鼻緒が足を痛み傷つけては猛威を振るっていたわけだけど、手懐けたいま、立場は逆転し悠々自適なディミッシアーノライフを送れている。もちろん歩行距離が長くなりそうな日には選ばない。贅沢な奴。

「”履きやすさ”ではなく、”見た目が100%”」

ズバリ、当店のディミッシアーノに対する価値観。
ときにバランスをとることは大事だけど、なにかに突出しているモノ（ましてやヒト）には惹かれてしまうものです。
誤解して欲しくないのは、デザインはもちろん素材や生産背景を加味した上での話なので、ただ見た目が良ければいいってことではない。

その点でいうとJutta Neumannは卓越してる。
もしかしたらパブリックイメージとは反転するかもしれないけど、その履き心地の良さはサンダルの域を超えているから。
さすがはBarbara Shaumで修行していただけある。

話は戻り、ことディミッシアーノに於いてはそんな機能性を求めてはいけない。いや、求めていない。
永く履けるモノを丹念に作っているからこその素朴さ、余計な味付けはせず革質と自らの技量で勝負。
歩行が楽チンなサンダルは余所に任せればいいのです。

そんな素朴さの中に咲く一輪の花、ソール先端の独特な形状がディミッシアーノたらしめるディテールでありシグネチャー。
本質は、シューズ専業メーカーとしての威厳を感じる足の構造を熟知したデザインだけど、すごく単純にカッコいいと思っている。

【Natural】　　　　　　　　【Black】
アッパー：ホースレザー　　アッパー：カウレザー
ソール：カウレザー　　　　ソール：バッファロー

使用したレザーは記載の通り。
温もりのある色合いのナチュラルには、これまた柔らかく馴染みの良いホースレザーをアッパーに。
オールブラックで臨むからには、革の質感で違いを生みたくソールはバッファローで。
ブラックこそ掲載した私物とは異なる色の組み合わせですが、どうやら今回は色気のある仕上がり。
しかしバッファローの重厚感たるや。カウレザーと比較しても、物理的に厚いし重たい。

そして、靴擦れを気にする声をよく耳にするけど、
MULEは意外と平気、DAKTYLOは人により、SAYONARAは確実、です。
とやかく、ことの真意は足を入れてみてから。
素足で履くサンダルなので試着を躊躇う気持ちも分かりますが、ここは店です。遠慮せず試していってください。